事業所案内

(1)事業者

法人名:株式会社ひだまりの郷
所在地:宮崎県都城市志比田町4536番地
電話番号:0986-36-6283
代表者名:代表取締役 横山 一郎

(2)事業所の概要

事業の種類:住宅型有料老人ホーム
事業所の名称:有料老人ホーム ひだまりの郷
事業所所在地:宮崎県都城市志比田町4536番地
電話番号:0986-36-6283  FAX番号:0986-36-6284
管理者の氏名:鮫島 美里


事業の種類:住宅型有料老人ホーム
事業所の名称:有料老人ホーム こもれびの郷
事業所所在地:宮崎県都城市志比田町4536番地
電話番号:0986-23-3346  FAX番号:0986-36-6284
管理者の氏名:鮫島 美里


事業の種類:指定密着型通所介護事業
介護保険事業所番号:4570203648
事業所の名称:デイサービス ひなた
事業所所在地:宮崎県都城市志比田町4539番地1
電話番号:0986-23-3346  FAX番号:0986-36-6284
管理者の氏名:鮫島 美里  生活相談員:福吉 綾華


事業の種類:指定通所介護事業
介護保険事業所番号:4570203929
事業所の名称:デイサービス かりん
事業所所在地:宮崎県都城市志比田町4536番地
電話番号:0986-36-6283  FAX番号:0986-36-6284
管理者の氏名:鮫島 美里   生活相談員 :豊留 ゆかり


事業の種類:(予防)指定訪問看護事業

介護保険事業所番号:4560290373

訪問看護ステーションコード:02.90415

事業所の名称:訪問看護ステーションひだまり

事業所所在地:宮崎県都城市志比田町4539番地1

電話番号:0986-25-4285 FAX番号:0986-36-6284

管理者の氏名:横山 直美


(3)事業目的

事業の適正な運営を確保するために、人員及び管理運営に関する事項を定め 事業所の生活相談員 看護職員及び介護職員等の従業者が、要介護状態にある高齢者の社会的孤立感の解消及び心身機能の維持並びに利用者の家族の身体的・精神的負担の軽減を図るため、利用者に対し適正な介護を提供することを目的とする。

(4)運営方針

利用者の心身の特性を踏まえて、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、入浴、排泄、食事の介護等日常生活上必要な介護及び機能訓練を行う。

(5)個人情報に関する方針について

株式会社ひだまりの郷(以下「法人」という)は、ご利用者様等の個人情報を適切に取り扱うことは、介護・看護サービスに携わるものの重大な責務と考えます。法人が保有する利用者等の個人情報に関し、適正且つ適切な取り扱いに努めるとともに、広く社会からの信頼を得るために、自主的なルール及び体制を確立し、個人情報の保護を図ります。

1.利用期間

介護サービス提供に必要な期間及び契約期間に準じます。

2.利用目的

(1)介護保険における介護認定の申請及び更新、変更のため

(2)利用者に関わる介護計画(ケアプラン)を立案し、円滑にサービスが提供されるために実施するサービス担当者会議での情報提供のため

(3)医療機関、福祉事業者、介護支援専門員、介護サービス事業者、自治体(保険者)、その他社会福祉団体等との連絡調整のため

(4)利用者が、医療サービスの利用を希望している場合および主治医等の意見を求める必要のある場合

(5)利用者の利用する介護事業所内のカンファレンスのため

(6)行政の開催する評価会議、サービス担当者会議

(7)その他サービス提供で必要な場合

(8)上記各号に関わらず、緊急を要する時の連絡等の場合

3.使用条件

(1)個人情報の提供は必要最低限とし、サービス提供に関わる目的以外決して利用しない。また、利用者とのサービス利用に関わる契約の締結前からサービス終了後においても、第三者に漏らさない。

(2)個人情報を使用した会議の内容や相手方などについて経過を記録し、請求があれば開示する。

(6) 介護処遇改善加算

介護職員処遇改善加算(処遇改善加算)

平成27年度介護報酬改定により、事業主が介護職員の資質向上や雇用管理の改善をよりいっそう推進し、介護職員が積極的に資質向上やキャリア形成を行うことができる労働環境を整備すること、介護職員自身が研修等を積極的に活用すること等の事業主の取り組みがより一層促進されるよう加算が拡充されました。

また、平成29年度介護報酬改定においては、介護人材の職場定着の必要性、介護福祉士に期待される役割の増大、介護サービス事業者等による昇給や評価を含む賃金改善制度の整備・運用状況などを踏まえ、事業者による、昇給と結びついた形でのキャリアアップの仕組みの構築を促すため、加算が拡充されました。

介護職員等特定処遇改善加算(特定加算)

介護職員の処遇改善については、平成29年度の臨時改定における処遇改善加算の拡充も含め、これまで数次にわたる取組が行われてきましたが、「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)において、「介護人材確保のための取組をより一層進めるため、経験・技能のある職員に重点化を図りながら、介護職員の更なる処遇改善を進める。」とされ、2019年10月の消費税率引上げに伴う介護報酬改定において対応することとされました。これを受けて、2019年度の介護報酬改定において、特定加算が創設されました。

さらに、令和3年度の介護報酬改定において、特定処遇改善加算の介護職員間の配分ルールの柔軟化、職場環境要件の見直しがありました。

「見える化要件」とは・・・

介護職員等特定処遇改善加算を取得するためには、上記の必要要件がありますが、その中で「見える化」に向けた取り組みについて、介護職員等特定処遇改善加算も含めた処遇改善加算の算定状況や、賃金以外の処遇改善に関する具体的な取り組み内容の公表を想定しており、介護サービスの情報公表制度の対象となっていない場合、事業者のホームページを活用する等、外部から見える形で公表することも可能であることが明確にされています。

見える化要件に基づき、特定加算の取得状況を報告し、今年度実施する、賃金以外の処遇改善に関する具体的な取り組み内容を下記に掲示致します。

職場環境等要件

「入職促進に向けた取組」・「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」・「両立支援・多様な働き方の推進」・「腰痛を含む心身の健康管理」・「生産性の向上のための業務改善の取組」及び「やりがい・働きがいの醸成」の計6区分ごとに1以上の取組を行います。

職場環境要件項目 当法人としての取組み
入職促進 職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施 入職前の見学実施の受け入れを積極的に行う。地域行事への参加や、地区会報での紹介等行う。
資質の向上 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を習得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援(研修受講時の他の介護職員の負担を軽減するための代替職員確保を含む) 介護職員等喀痰吸引の受験料や実習、他研修費等の補助を行うことにより、職員が研修や講習を受けやすい環境を整えている。
働き方の推進 職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備 家庭環境の状況に応じた、勤務時間の導入。非正規職員から正規職員への転換を奨励している。
心身の健康管理 介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、介護ロボットやリフト等の介護機器等導入及び研修等による腰痛対策の実施 特浴、電動ベッドを導入し、介護職員の腰痛対策を行っている。
業務改善の取組 高齢者の活躍(居室やフロア等の掃除、食事の配膳・下膳などのほか、経理や労務、広報なども含めた介護業務以外の業務の提供)等による役割分担の明確化 高齢者雇用に関しては、掃除洗濯、軽介助への役割分担を行っている。
働きがいの醸成 ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善 毎月、職員会議を開き情報共有を徹底している。
地域の児童・生徒や住民との交流による地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上 地域の夏祭りや正月等、訪問して頂き、児童や生徒、住民との交流を図っている。

(7)感染対策のための指針

1. 感染症対策に関する基本方針

(1)介護老人福祉施設手稲ロータスは、感染症に対する抵抗力が低下している高齢者や認知機能が低下していることにより感染対策への協力が難しい高齢者等が、集団で生活する場であることから、感染が広がりやすい環境にあることを認識しなければならない。

(2)感染者を完全になくすことは大変難しいことではあるが、施設内に感染源を持ち込ませないために様々な対策を実施し、集団生活における感染の被害を最小限にすることが求められる。

(3)このような前提に立って、感染症を予防する体制を整備し、平常時から必要な対策を実施するとともに、感染症発生時には感染の拡大防止のため、迅速かつ適切な対応を図ることが必要となる。

2. 注意すべき主な感染症

高齢者介護施設において、予め対応策を検討しておくべき主な感染症として、以下のものが挙げられる。

(1)入居者(利用者)及び職員にも感染が起こり、媒介者となりうる感染症

集団感染を起こす可能性がある感染症で、インフルエンザ、新型コロナウイルス、感染性胃腸炎(ノロウイルス感染症、腸管出血性大腸菌感染症等)、疥癬、結核等がある。

(2)健康な人に感染を起こすことは少ないが、感染抵抗性の低下した人に発生する感染症高齢者介護施設では、集団感染の可能性がある感染症で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症(MRSÀ 感染症)、緑膿菌感染症等の薬剤耐性菌による感染症がある。

(3)血液、体液を介して感染する感染症

基本的には、集団感染に発展する可能性が少ない感染症で、肝炎(B 型肝炎、C 型肝炎)等がある。

3. 感染症発生時の対応に関する基本方針

感染症が発生した場合、当施設は、入居者(利用者)の生命や身体に重大な影響が生じないよう、入居者(利用者)の保護及び安全の確保等を最優先とする必要な措置を講じることに最善を尽くすことを基本方針として、迅速に次のことを行う。

  • 発生状況の把握
  • 感染拡大の防止
  • 医療措置
  • 行政への報告
  • 医療機関との連携

4. 感染症予防委員会の設置

(1)当施設内での感染症の発生を未然に防止するとともに、発生時における対応が迅速に行われ、かつ、入居者(利用者)及び家族に最善の対応を提供することを目的として、感染症に係る管理体制を施設全体で取り組むため、感染症予防委員会(以下、「委員会」という。)を設置する。

(2)委員会は、統括主任、看護職員、介護職員、管理栄養士、機能訓練指導員及び生活相談員で構成する。必要に応じ、嘱託医に対して参画を要請する。

(3)委員会は、毎月1回定期的に開催し、感染症の予防等の検討を行う。また、感染症発生時等において、必要に応じ、臨時委員会を開催する。

(4)委員会の役割は、次のとおりとする。

施設内感染対策の立案

  • 指針・マニュアル等の整備・更新
  • 入居者(利用者)及び職員の健康状態の把握
  • 感染症発生時の措置(対応・報告)
  • 施設内感染対策に関する職員への啓蒙(周知・徹底)
  • 研修の策定及び実施
  • 各部署での感染対策実施状況の把握

5. 職員研修に関する基本方針

(1)当施設の職員に対し、感染対策の基礎的内容等の知識の普及や啓発とともに、衛生管理の徹底や衛生的なケアの励行を目的とした「感染症の予防及び蔓延の防止のための研修」及び「BCPの把握」を感染症予防委員会の企画により、次のとおり実施する。

  • 定期的研修   感染対策に関する定期的な研修を年2回(2回以上)実施する。
  • BCP(事業継続計画)   平常時に行う対策や、施設内に感染症が発生した場合に備える方法を年1回(1回以上)実施する。

6. 入居者(利用者)に対する当該指針の閲覧に関する基本方針

この「感染症対策のための指針」は、入居者(利用者)及び家族の求めに応じていつでも施設内にて閲覧できるようにするとともに、当施設内に掲示し、いつでも入居者及び家族が閲覧できるようにする。

(8)事故防止のための指針

1.事故防止の基本姿勢について

(1)事故発生防止のための基本的な考え方

当施設は、安全で質の高い介護サービスを提供するために、サービスの安全性の向上、職員の健康管理、事故防止に努め、計画的に事故防止に向けた取り組みを行う。

事故が発生した場合には、職員が速やかに適切な対応が行えるよう、また事故を未然に防ぐために必要な研修や知識の習得に努める。

(2)事故発生防止のための体制整備

施設で定める各種マニュアルに基づき、ヒヤリハットや介護事故などが発生した場合は、速やかに報告書を作成するとともに、日々の申し送りや事故防止対策委員会にてその内容について分析・検討する。

2.事故防止対策委員会ついて

(1)事故防止対策委員会設置の目的

施設内での事故を未然に防ぐとともに、起こった事故に対して利用者に適切な対応ができるよう、施設の安全管理体制の推進を目的として事故防止対策委員会を設置する。

(2)事故防止対策委員会の構成員

委員長は施設長(又は施設長が指名した者)・看護職員・介護職員、及び施設長が指名する者をもって構成する。

(3)事故防止対策委員会の開催

定期的に1カ月に 1 回開催し、介護事故発生の未然防止、再発防止等の検討を行う。事故発生時必要な際は、随時委員会を開催する。

(4)事故防止対策委員会の役割について

①マニュアル、ヒヤリハット報告書、事故報告書等を整備するとともに内容の見直しを定期的に行う。

②ヒヤリハット報告書、事故報告書の分析及び改善策の検討及び周知徹底

報告のあったヒヤリハット報告、事故報告の分析をもとに、事故発生防止のための改善策を検討する。また、職員に対して改善策の周知徹底を図る。

3.職員研修に関する基本方針

事故発生防止の知識の習得や、安全管理の徹底を図るため、施設内研修計画に沿って職員研修を実施する。

4.事故発生時の対応に関する基本方針

(1)利用者への対応・事故処理

介護サービスを提供する上で事故が発生した場合、当施設は、利用者に対し必要な処置を講じる等、適切な事故対応を行う。また、事故の状況及び処置については必ず記録をし、損害賠償の責を負う必要があるときは、速やかに応じるものとする。

(2)ご家族等に対する連絡・説明

ご家族に対しては、あらかじめ指定された緊急連絡先に沿って速やかに連絡を行い、事故発生状況及び施設職員の対応状況を報告する。また、事故による損害が発生している場合においては、施設の賠償責任の有無を説明する。

(3)その他の連絡・報告について

サービス事業所等に連絡し、市に対して介護事故等の必要な報告を行う。

5.介護事故発生防止のための取組

介護事故発生防止のために、事故防止対策委員会にてヒヤリハット・事故報告書を集計し、介護事故等の発生時の状況等を分析することにより、介護事故等の発生原因、結果等をとりまとめ、有効な防止策を検討し、その内容を職員に周知した上で実施する。

尚、防止策を講じた際にはその効果について定期的に評価する。

6.事故発生防止のための基本方針の公表

当施設の事故発生防止のための指針は、利用者の求めに応じていつでも施設内にて閲

覧できるようにし、いつでも誰もが閲覧できるようにする。

(9)身体拘束・虐待防止に関する指針

虐待防止法について

虐待防止法については、「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」平成12年5月成立 「配偶者からの暴力の防止及び保護に関する法律(DV防止法)」平成13年4月成立 「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)」平成17年11月成立 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」平成24年10月が成立しています。

 

1 高齢者虐待防止法による高齢者虐待の定義

 「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」以下、「高齢者虐待防止法」が平成18年4月1日に施行になりました。

高齢者虐待防止法では【高齢者】とは、65歳以上の者と定義されています。また、高齢者虐待を「養護者による高齢者虐待」、及び「養護施設従事者等による高齢者虐待」に分けて定義していますが、ここでは「養介護施設従事者等による高齢者虐待」について述べます。

何が虐待かは人によって捉え方もまちまちです。しかし、「高齢者虐待防止法」では次の5つの行為の類型をもって「虐待」と定義しています。

(1)身体的虐待

 「高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。」

(2)介護・世話の放棄・放任

 「高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。」

(3)心理的虐待

 「高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。」

(4)性的虐待

 「高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。」

(5)経済的虐待

 「高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。」

 

2 高齢者虐待防止法による養介護施設従事者等の定義

高齢者虐待防止法に定める「養介護施設従事者等」とは、老人福祉法及び介護保険法に規定される施設と事業の業務に従事する人のことを指します。

3 身体拘束禁止と高齢者虐待との関係

介護保険施設などでは、指定基準等において、「入所者の生命又は身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き、高齢者をベッドや車椅子に縛り付けるなどの身体の自由を奪う身体拘束は行ってはならない」とされており、原則として禁止されています。

身体拘束が常態化することにより、高齢者に不安や怒り、屈辱、あきらめといった精神的な苦痛(心理的虐待)を与えるとともに、関節の拘縮や筋力低下など身体的な機能を奪ってしまう(身体的虐待)危険性があります。

高齢者が他者から不適切な行為により権利を侵害される状態や生命、健康生活が損なわれるような状態に置かれることは許されるものではなく、「緊急やむを得ない場合」を除いて、身体拘束は原則としてすべての高齢者虐待に該当する行為と国基準で考えられています。

【身体拘束禁止の対象となる具体的な行為】

身体拘束の緊急やむを得ない場合とは

【「緊急やむを得ない場合」に該当する3要件】(すべてを満たすことが必要)

① 切 迫 性:利用者本人または他の利用者の生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高い場合

② 非代替性:身体拘束以外に代替する介護方法がないこと

③ 一 時 性:身体拘束は一時的なものであること

○ 身体拘束は原則禁止のため、家族の同意が「ある」「なし」に関わらず許されるものではありません。また、家族から安全確保のため拘束希望が出されたとしても、施設が家族と話し合いを重ねて身体拘束廃止の理解を求めていくことが重要です。

○ 「緊急やむを得ない場合」の判断は、担当の職員個人又はチームで行うのではなく、施設全体で判断することが必要で、身体拘束の内容、目的、時間、期間などを利用者や家族などに対して十分に説明し、理解を求めることが必要です。

4 通報義務、公益通報

(1)養介護施設従事者等における高齢者虐待の通報義務

高齢者虐待防止法における通報については、養介護施設における高齢者虐待の事例を施設等の中で抱えてしまうことなく、早期発見、早期対応を図り、高齢者の尊厳保持の理念のもとサービスの質の確保や向上に資するために設けられたものです。

保健・福祉医療従事者の責務として、「高齢者福祉の仕事に従事する人は高齢者虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、その早期発見に努めること」が示されています。

特に養介護施設従事者等は自分の働いている施設などで高齢者虐待を発見した場合、生命・身体への重大な危険が生じているか否かに関わらず、速やかに市町村に通報しなければならないとの義務が課せられています。また、高齢者虐待は、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生することや高齢者本人の生命や身体に危険が及ぶことがあることから、早い時期に第三者が介入するなどして、虐待を止めることが大切です。なお、通報への対応は養介護施設の所在する市町村が行います。

(2)守秘義務との関係

高齢者虐待防止法では、「刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止を妨げるものとして解釈してはならない」ことが示されており、虐待の相談や通報を行うことは、養介護施設従事者等であっても「守秘義務違反」にはなりません。

(3)公益通報者保護

平成18年4月1日から公益通報者保護法が施行されました。この法律では労働者が、事業所内部で法律違反が生じ、又は生じようとしている旨を事業所内部、行政機関、事業所外部に対して所定の要件を満たして公益通報を行った場合、通報者に対する保護が規定されています。

所定の要件とは、

  • 不正の目的で行われた通報でないこと
  • 通報内容が真実であると信じる相当の理由があること
  • 当該法令違反行為を通報することが、その発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認めた場合

と規定されています。また、高齢者虐待防止法においても通報したことによって解雇その他の不利益な扱いを受けることを禁じています。

【公益通報者に対する保護規定の内容】

① 解雇の無効

② その他の不利益な取り扱い(降格、減給、訓告、自宅待機命令、給与上の差別、退職の強要、専ら雑務に従事させること、退職金の減給・没収等)の禁止

 

 虐待防止に向けた取り組み

◆身体拘束・虐待防止委員会の設置

 利用者の人権 を守るために虐待行為をなくす努力をする。

◆業務管理体制整備規程を職員へ周知し、行動規範となるよう啓発する。

◆職員の関心を高める掲示物等を掲示する。

◆研修などを通じて、職員の人権意識を高める。

◆「虐待発見チェックリスト」などに従い調査を実施する。

◆ヒヤリハット、身体拘束廃止検討委員会等で虐待につながる様なケースは、虐待防止委員会で検討をする。

◆内部からのチェック 内部監査の受審

 

6 快適なケアを実現するために

(虐待防止の本来のねらい)

  • 高齢者の虐待防止は、“虐待の防止や養護者の支援等を促進することをもって高齢者

の権利利益の擁護に資すること”が目的です。(虐待防止法第1条(目的))

  • 例示によって“虐待”に該当する行為を限定することは、“虐待”という最悪の事態から高齢者を守るためのものですが、それだけではありません。当事者である高齢者やその家族にとって、不快であったり悲しかったり、“虐待”であると感じられるケアは、できる限りなくすようにしたいものです。虐待であるかどうかを問題にする以前に、不適切なケアや説明不足などから生じる互いの不信感をどうしたらなくしていけるかを考えることこそが虐待の防止と考えています。

ケアは適切であっても、説明不足や意思疎通に問題ありと思われることがたくさんあります。理解いただくのは難しいとあきらめてしまう姿勢や職員の情報共有不足、意欲低下も不適切なケアへ繋がります。

法令上の虐待とは言えないけれど、利用者や家族が“辛い”“悲しい”“虐待を受けた”と感じる不適切なケア、悪意のない小さなミスでも、放っておくと虐待事故の原因にもなります。小さな気付きを放置しないで、みんなで考えることが大切です。

利用者や家族の声にいつも耳を傾けて早期発見、早期対応します。起きてしまったら二度と起こさないように、なぜ起きたのか、どうしたら再発を防げるのか早急に考えます。

 

7 適切なケアを実現することが虐待防止

虐待防止の難しさは、分かりにくさと深刻さであり、分かりにくさは誤解や混乱を生み深刻さは、見て見ぬふりや問題の先送りにつながります。行為だけで虐待を定義することは容易ではなく、虐待はそれを受ける利用者の思いが一番大切です。利用者、家族が主体となったサービスを提供し、虐待であろうとなかろうと、“不快”“悲しい”“いろいろ事情がある”“これは誤解だ”“これくらいは仕方がない”などの日常のケアを振り返ることが、虐待を防止することに繋がります。

  • 身体的虐待

虐待防止法では、第2条第5項で「高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。」と定義されています。次に記載されていることは、利用者又は家族が不快であったり悲しかったり、「身体的虐待を受けた」と感じている行為です。

(2) 介護・世話の放棄・放任

 虐待防止法では、第2条第5項で「高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長期間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること」と定義されています。

次に記載されていることは、利用者又は家族が不快であったり悲しかったり、「介護・世話の放棄・放任」と感じている行為です。

(3)心理的虐待

法では、「高齢者に対する著しい暴言又は著しい心理的外傷を与える言動を行なうこと。」と定義されています。次に記載されていることは、調査の結果、利用者又は家族が不快であったり悲しかったり、「心理的虐待を受けた。」と感じている行為です。

(4)性的虐待

法では、「高齢者にわいせつな行為をすることまたは高齢者をしてわいせつな行為をさせること」と定義されています。次の記載は、利用者または家族が不快であったり悲しかったり「性的虐待をうけた」と感じている行為です。

(5) 経済的虐待

法では、第2条第5項「高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益をえること」と定義されています。次に記載することは、調査の結果、利用者または家族が不快であったり悲しかったり「経済的虐待を受けた」と感じていることです。

 

高齢者虐待の発見方策

(1) 高齢者虐待が発見されにくい理由

◇社会からの孤立

高齢者は外出する機会が少ないため、社会から孤立しやすくなります。要介護状態であればなおのこと家庭内で閉ざされた環境となりやすく、第三者による高齢者虐待が発見されにくい状態となります。

◇高齢者虐待行為の隠ぺい

高齢者虐待が起こっていても、虐待をしている人も受けている人も他人に知らせることはしないで、隠そうとする傾向があります。特に虐待を受けている高齢者自身が、「自分さえ我慢していれば・・・。」と世間体を気にするあまり、不適切な養護をしている者をかばってしまうことや虐待を指摘されても「これは自分の不注意で、どこかで打ってできた傷だ」などと否定することも多くあります。

(2) 高齢者虐待を発見するために

◇高齢者虐待のサインに気づく

高齢者虐待を早期に発見することは、極めて重要となります。

そのためには、高齢者の家庭に入る機会の多い保健・医療・福祉の関係機関は、それぞれの立場で、虐待を受けている高齢者のサインを敏感に察知し、高齢者虐待の存在に気づいていくことが求められます。

これらのうち複数の項目にあてはまると高齢者虐待の疑いが濃くなります。

ただし、ここに記載したサインはあくまで例示であり、他にも様々なサインがあることを踏まえておくことが必要です。

①共通して見られるサイン

(ア) 通常の行動が不自然に変化する。

(イ) 少しのことで怯えたり、恐ろしがったりする。

(ウ) 人目を避け、多くの時間を一人で過ごす。

(エ) 医師や保健・福祉の関係者に話す事や援助を受けることをためらう。

(オ) 医師や保健・福祉の関係者に対する話の内容がしばしば変化する。

(カ) 睡眠障害がある。

(キ) 不自然な体重の増減がある。

(ク) 物事や周囲の事に対して極度に無関心である。

(ケ) 強い無力感、あきらめ、なげやりな態度が見られる。

②身体的虐待を受けている高齢者の身体的、行動的に見られるサイン

(ア)【あざや傷の有無】

頭部に傷、顔や腕に腫脹、身体に複数のあざが見られる。

(イ)【あざや傷の説明】

あざや傷の説明に関するつじつまが合わない、求めても説明しない隠そうとする。

(ウ)【行為の自由度】

自由な外出ができない、自由に家族以外の人と話す事ができない。

(エ)【態度や表情】

おびえた表情、急に不安がる、家族のいる場面いない場面で態度が異なる。

(オ)【話の内容】

「怖い」「痛い」「怒られる」「家にいたくない」「殴られる」といった発言がある。

(カ)【支援のためらい】

関係者に話す事を躊躇する、話す内容が変化する、新たなサービスの拒否。

③養護者による世話の放棄サイン

(ア)【住環境の適切さ】

異臭がする、湿度・ほこり・油等でべたべたする、暖房の欠如、極度に乱雑な住環境。

(イ)【衣服・寝具の清潔】

着の身着のまま、濡れたままの下着、汚れたままのシーツである事が多い。

(ウ)【身体の清潔さ】

身体の異臭、汚れのひどい髪や爪、皮膚の潰瘍。

(エ)【適切な食事】

痩せが目立つ、菓子パンのみの食事、よそではがつがつ食べる。

(オ)【適切な医療】

家族が受診を拒否、受診を勧めても行った気配がない。

(カ)【適切な介護等サービス】

必要であるが未利用、勧めても無視あるいは拒否、サービス利用量が極端に

不足。

④ 性的虐待を受けている高齢者の身体的、行動的に見られるサイン

(ア)【出血や傷の有無】

生殖器等の傷、出血、かゆみの訴えがある。

(イ)【態度や表情】

おびえた表情、怖がる、人目を避けたがる。

(ウ)【支援のためらい】

関係者に話す事をためらう、援助を受けたがらない。

⑤心理的虐待を受けている高齢者の身体面、行動面に見られるサイン

(ア)【体重の増減】

急な体重の減少、痩せすぎ、拒食や過食が見られる。

(イ)【態度や表情】

無気力な表情、なげやりな態度、無表情、急な態度の変化。

(ウ)【話の内容】

話したがらない、自分を否定的に話す、「ホームに入りたい」「死にたい」などの発言。

(エ)【適切な睡眠】

不眠の訴え、不規則な睡眠。

⑥経済的虐待を受けている高齢者の身体面、行動面に見られるサイン

(ア)【訴え】

「お金を取られた」「年金が入ってこない」「貯金がなくなった」などの発言。

(イ)【生活状況】

資産と日常生活の大きな落差、食べる物にも困っている。

(ウ)【支援のためらい】

サービス利用をためらう、サービス利用をためらう。

⑦養護者・家族に見られるサイン

(ア)【高齢者に対する態度】

冷淡、横柄、無関心、支配的、攻撃的、拒否的。

(イ)【高齢者への話の内容】

「早く死んでしまえ」など否定的な発言、コミュニケーションをとろうとしない。

(ウ)【関係者に対する態度】

援助の専門家と会うのを避ける、話したがらない、拒否的、専門家に責任転嫁。

(エ)【養護者自身の状況】

酒気帯び状態であるなど。

 

(3) 虐待発見時の対応

○虐待もしくは虐待が疑われる事案を発見した場合には、速やかに組織的な対応をとること。また行政に通報、相談すること。(フロー図参照)

○施設、事業所においては、虐待発生時もしくは、疑いのあるケースを発見した場合には速やかに誠意ある対応や説明を行うなど、利用者や家族に十分に配慮する事。またプライバシー保護を大前提としながらも、対外的な説明責任を果たすことも必要となります。さらに発生要因を十分に調査、分析するとともに、再発防止に向けて、組織体制の強化、職員の意識啓発等について、一層の徹底を具体的に図ることが不可欠となります。

○地域における虐待事案の場合には、行政への連絡、通報の方法や手順を定め、職員などに周知徹底を図ることが、迅速な対応を可能とします。また生命と身体の安全を第一に考え、行政や相談支援事業者と十分に連携を図りつつ、発生時の連絡ルート、被害者の緊急的な保護を含めた対応方法について日頃から連絡、調整を行い、あらかじめ定めてお

くように努めます。

(4)発生後の対応

○虐待の発生後「被害者である利用者」「虐待を行った者」双方への視点を持って対応することが必要です。

○生命と身体の安全を十分に確保した上で落ち着きを取り戻すための支援、もしくは一日も早く安心した生活を取り戻すために必要な取り組みを行なうことが重要です。

○施設、事業所の職員が虐待を行った場合には、家庭生活上の不安や、職場における人

間関係等のトラブル、さらには、日々の業務に対する過剰感等が虐待に至る要因として考えられます。これらの状況について日常的に把握できるような環境や仕組みを整えるとともに、発生後はその他の職員の状況に改めて配慮する取り組みを進めます。

○家族による虐待の場合、その背景には、利用者と家族の人間関係や地域社会での家族

に孤立感や孤独感、過重な介護に対する負担、経済的な困窮や家族自身が身体的もし

くは精神的な支援を必要としているような場合もあります。

 

 

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